今、幼児教育が注目されている?!
2019年10月から、消費税が10%に増税されると同時に、幼稚園と保育園が無償になること(幼児教育無償化)が決定しました。
それは素晴らしい!
私はこの政策を心待ちにしていました。
政府のこの政策の背景には、幼児期の子育てに関わる経済的格差を解消していくということが一番の主旨のようです。
しかし一方では、この政策が、今抱えている待機児童の問題の解消にならないとか、元々消費増税は、国の借金返済と社会保障に使う予定だったとか言われていて、必ずしも国民全員が快く受け入れていない現状もあります。
ただ、私は全く違う視点から、この政策の重要性を伝えたいと思います。
なぜ、幼児教育が大切なの?
私が幼児期の教育が大切だと考える理由は、次の3点です。
- 小学校就学以前の学力格差をつくらないこと
- 脳科学的に3〜5歳の時期が神経系が発達するプレゴールデンエイジであること
- 将来的に教育費用のコストパフォーマンスがよくなるということ
私は、小学校教員を22年間勤めた経験上、1年生時点での学力格差を肌で感じていました。
小1ギャップという言葉がありますが、これはどちらかというと小学校の生活習慣になじめないことを指し、主に生活面のことで言われることです。
では、学習場面ではどうかというと、明らかに差が生じていることがわかります。
これはいくつかの要因が考えられます。
(1)幼稚園卒と保育園卒との違いってある?!
2010年に、文部科学省が「幼稚園卒の子どもの方が、保育園卒の子どもよりも、学力テストの成績が高い」という調査結果を報告しています。その理由としては、経済力の格差だということらしいです。幼稚園に通園させている家庭の方が経済的に豊かであり、学習教材を与えたり、習い事等に複数通わせたりできているというのです。実は、私も幼稚園卒の方が学力は高いと思っていました。ただ、経済力の格差という点では考えてはいません。
幼稚園と保育園とでは、学ぶ環境が違うのではないかと思っていました。つまり、文科省管轄の「教育施設」という位置づけの幼稚園と、厚労省管轄の「児童福祉施設」という位置づけの保育園では、そもそも運営目的が違います。前者は、保育+心身の発達助長に対して、後者は、保育のみです。私は、幼稚園の方が、より学習的重点が高いと思っていました。
しかし、近年では、保育園の活動内容もかなり幼稚園と差がなくなってきたらしいです。しかも、内容も各園で工夫され豊かになっているところもあるといいます。認定こども園という幼稚園と保育園が一緒になったようなところもできました。
ということは、必ずしも、幼稚園卒とか保育園卒とかという括りでは、学力差の説明はつかないことになります。
(2)家庭教育の問題?!
園側の問題ではなく、家庭での問題ということも考えられます。
大変興味深い論文を発見したので紹介しましょう。上記(1)に書いた文科省報告を受けて、2011年に、内田伸子氏(当時:お茶の水女子大教授)が、「学力格差は幼児期から始まるか?」という研究報告をしています。結論から言うと、楽しい体験を共有しようとする「共有型しつけ」と、親の言うとおりにさせようとする「強制型しつけ・指示型しつけ」とでは、前者の方が学力が高くなる(語彙力が豊富)というのです。子どもの主体性を大切にした子育てが、学力の向上に結びつくということです。脳科学的見地からも、ストレスがいかに脳に悪影響を与えるか、強制型しつけのデメリットを訴えています。
(3)子どもの発達遅延と発達障害も?!
小学校に入学する前に、就学時検診があります。知能、健康状態を確かめ、通常学級で過ごせるかを吟味するのです。
知能は、知能テストというかたちで、一人の教師が指示を出しながら進行し、問題用紙に記述させていきます。このテストは学力テストとは違いますが、その後の学習指導をしていく上での大切なポイントになりますし、基準点数以下ですと、再検査をかけます。再検査で問題があった場合は、特別支援学級の通級を勧められることもあります。
現状は、特別支援学級が存在していますが、積極的に普通学級と関わっていくような生活面での試みがなされています。ただ、学習面ではなかなか難しいでしょう。
以上のような要因を挙げてみましたが、小学校入学以前の格差を少しでもなくすためには、園も家庭も、子どもの主体性を程よく認めた保育と発達助長をしていくことだと思いました。そのためには、子どもへの接し方を注意深く考えてみる必要があります。
脳科学的に、3〜5歳の時期は、神経系が発達する大切な時期だと言われています。
この時期を普通に経過させてしまうのは、もったいない!
園でも家庭でも、子どもにどのように接するかによって、せっかくの才能も開花せずに終わってしまうこともあるかもしれません。
以下の図を見てください。
「みんなの歯学」からの引用
これは、スキャモンの発達曲線として有名な図ですが、リンパ系型、一般型、生殖器型に比べて、いかに神経系型の発達が早いかがわかると思います。
つまりこの時期に、先程述べた「共有型しつけ」のベースとした発達助長を行うことで、将来的な学力向上に結び付くのです。
でも、具体的に、どのようなことを行えばよいのでしょう。
幼少期の段階で、どんなことをさせれば、将来的な教育費用のコスパがよくなるのでしょう。
一般的に、学習塾や習い事については、小学校に入ってからということが多いでしょう。中学校に至っては、高校受験のための学習塾通いは中学に入った途端から始まるのが当たり前になりました。
でも、中学3年間、夏期・冬期講習も含めて通わせるとなると、かかる費用に顔が青ざめてしまいます。
中学生の費用は、本当に高額です。塾産業が成り立っているのは、中学生のおかげといってもよいくらいです。
しかし、どうしても塾に通わせないと学力は上がらないのでしょうか?
実は、学力の向上は、乳幼児期の「非認知能力」の高め方にかかっていると言われています。
非認知能力とは、ノーベル経済学賞受賞者のジェームズ・ヘックマン教授(シカゴ大学)が証明した能力のことです。
テストの成績などで数値化できない内的な能力、例えば、やり抜く力とか意欲等のことを指します。「学ぶことが好き」という気持ちは、この非認知能力が高いと言えます。
手前味噌ですが、うちの長女は、中学2年生ですが、塾に通ったことがありません。塾組にも負けない学習成績を収めているからです(ただし、3年生からは念のため塾に行きたいと本人が言っています)。
元々潜在的な力があったからとは思っていません。実は、プレゴールデンエイジ期から、脳科学理論に基づき子育てをしていたからだと思います。
ちなみに習い事は、3歳からピアノを習わしていました。そして、積み木遊び、お絵かき、絵本の読み聞かせをしていました。すっかり本好きになり、その読書量は半端ないです。
学習教材は、ベネッセのこどもチャレンジ。こどもチャレンジは、付録も工夫されていてとてもおもしろく学習でき、ためてしまうようなことはありませんでした。内容が簡単になってきてしまい、小学校5年生で辞めました(自力で学習できるようになっていました)。その結果、今では自らの家庭学習法も開発し、学校の先生からも頼られ、男女問わず多くの友達からも慕われています。家に居るよりも学校に行くのが楽しいという子です。また、漢字検定にも挑戦し、中学2年生段階で準2級を所持しています。そして、何よりも自己肯定感の強い、挑戦意欲の高い子に育ちました。将来の夢は、イラストレーターだそうです。
これは、非認知能力の高まりによるものと言わざるを得ません。
幼少期の子どもたちとのかかわり方は?―これからは「コーチング」の時代
子どもたちとのかかわり方は、ケースバイケースだと思っています。
大切なのは、子育ての考え方であり、心の持ち方であると思います。
どんなに、「いい方法だよ」と言われても、その気持ちを持てなければ、おそらくうまくいかないでしょう。そのかわり、うまくいったらどんどん心が豊かになるでしょう。
子育ては、子どもだけではなく、自分自身も成長させるのです。
だから、失敗したからといって、途中で諦めない。根気よくやっていく必要があります。
ただ一つだけPRしておくとすれば、これからの子育てには、「コーチング」という方法が必要です。
コーチングと言えば、スポーツの世界でよく使われている方法ですが、実は子育てにおいてもとても重要な方法であり、考え方となっています。
例の「共有型しつけ」ともリンクするコーチングというのは、非認知能力を高め、子どもの能力を最大限まで発揮させられるようになります。
テニスプレーヤー大坂なおみ選手が全米、全豪オープンで優勝できる力をつけたのも、彼女のメンタルサポーターとなっているコーチ(サーシャ・バイン氏)によるコーチングの効果によるものでしょう。
私は、これから子どもを育てるのに必要になってくるということで、「チャイルドコーチングマイスター」という資格をとりました。
コーチングの基本は次の4つです。
- 傾聴
- 共感
- 質問
- 承認
まずは、子どもの思いを聴き(傾聴)、その思いに共感し、問いかけながら自分自身で思考させ、そして認めてあげる。
この過程で、子どもたちは非認知能力を高めていくのです。具体的な場面や言葉かけなどはここでは割愛しますが、このコーチングという技術を身に付けておくことは、子育てや教育において、とてつもない強みになります。ぜひとも、身に付けたいところです。
まとめ
最後にまとめておきましょう。
- 幼児期の学力格差は、幼稚園卒とか保育園卒とかによらない
- 家庭でのしつけでは、「強制型・指示型しつけ」ではなく、「共有型しつけ」の方が学力が上がる
- 3〜5歳はプレゴールデンエイジで、子どもの能力を伸ばす大切な時期で教育費用のコスパがいい
- 学力を伸ばすには、非認知能力を高めた方がよい
- 非認知能力を高めるためには、コーチング技術を身に付けるとよい
幼児教育におすすめ資格は?
保育士資格や幼稚園教諭免許は、国家資格なのでハードルは高いですが、民間資格であれば、比較的取りやすいといえます。
【チャイルドコーチングアドバイザー】
通信教育講座キャリカレで案内している講座です。この資格での活躍の場は、幼稚園、児童福祉施設、学習塾、セミナー、スポーツスクールなどです。基本的には、テキスト教材とDVDによる添削問題解答型の講座です。標準学習期間は、4ヶ月。ネット限定価格で、36,000円(税別)です。一般財団法人日本能力開発推進協会(JADP)が認定します。受験形態は、在宅試験です。
【チャイルドコーチングマイスター】
資格取得のformie(フォーミー)で案内している講座です。この講座の特長は、スマホやPCで学習できるeラーニングを採用しているところです。チャイルドコーチングマイスターの資格の場合も同様で、教材を順番に学習していき、復習問題や練習問題に解答していき、最終的に検定問題に合格できれば取得できます。スマホがあれば、どこでも学習できるということです。私もこれで資格取得しました。標準学習期間は、1ヶ月程度。認定証・検定費用込みで、36,000円(税込)です。アドバイザーとマイスターの違いが気になるかもしれませんが、それほど差はありません。名称が違うだけで、活躍できる場は同じです。
【幼児教育トレーナー】
一般社団法人日本子育て支援協会、一般社団法人日本幼児教室協会で案内している養成講座です。協会所属の幼児教室4社(めばえ教室、小学館のドラキッズ、ミキハウスキッズパル、講談社すこやか教室)で教室講師として仕事ができます。通常、これらの幼児教室は、保育士や幼稚園教諭免許などの有資格者が対象となりますが、幼児教育トレーナー資格を持っていれば、2つの資格に準ずる資格として、採用試験を受けることができます。受講期間は、1日6時間の全4日間です。受講会場と実施日程が指定されています。定員は15名です。費用は、50,000円(税抜)です。託児サービス、受講費用補助制度もあります。チャイルドコーチングが、主に言葉がけによる心へのアプローチに特化している資格に対して、トレーナーは、絵本の読み聞かせ、製作活動、歌遊び等の支援をする実践向きの資格です。
ちょっと費用と時間がかかるけど、幼児教育に関わる専門資格は...
【チャイルドマインダー】
【幼児教育アドバイザー】
科学的根拠に基づいたカリキュラムが学べる『ギフト教育』
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これからは、幼児教育と老人介護に重点を置く時代でしょう。このサイトでは、幼児教育の大切なポイントを挙げてきました。おそらくもっと人手が必要になると思います。今から知識と実力をつけて、子どもたちの将来のためにがんばりましょう!